この猫長生き

祖父の猫がつい最近亡くなったようだ。最後は点滴を打ってなるべく苦しまないようにしたらしいが、20年ちょっとくらい生きているはずなので老衰として受けれるしかない。寒暖の差が激しく、老猫にはつらかったのだと思う。ご飯を食べなくなってもうだめか、というのが前にも何回かあったが、そのときは薬を打ったらすぐに元気になってバクバクご飯を食べて回復したのに。野良子猫のときに高い塀の上から隣のマンションの植木スペースに落ちて足を折って動けず、親猫に見捨てられ、ずっとみゃーみゃー鳴いていたのを覚えている。親猫に見捨てられたし野生の生き物としてはもうこれは先がないな、なんて思っていたら祖父が自分の部屋でめんどうを見始めた。あの時はこんなに長生きするとは思わなかったし、野良猫の寿命の予想を外したのもこれっきり。親猫や兄弟猫の誰よりも結局生き延びた。先住猫だったアメリカンショートヘアも数年前に亡くなった(こいつは知人夫婦の猫だったが、子供が生まれるとなったら急に捨てたられ、祖父宅に引き取られることになった)。某人に関しては、もっと早く動物病院連れて行けばまだ生きられたのに、と怒りをかくせないし、しばらく顔も見たくない。


昔世話になった動物病院の先生はすでに高齢なので店じまいをしてしまったが、商店街に動物病院の建物自体はまだ残っている。動物病院入口はガラス張りなので、元待合スペースで猫のしろ君が陣取っているのが見える。大体寝ているが、たまに起きて商店街の様子を眺めている。この子も、捨て猫だった子猫のときに誰かが飼い主募集のために動物病院に連れてきたものの、結局貰い手が見つからず、連れてきた人間も連絡がとれなくなって引き取り拒否となった。どうも、最初から引き取る気がなかったようだった。なし崩し的に動物病院の先生が引き取ることになり、それからしろ君はずっと病院に住んでいる。彼ももう17歳か、なんて思っていたが、つい先日みたら今年の夏で20歳だった。写真を見返すと、どうも年齢を記載した自己紹介がたびたび書き直されていた模様。大事にされているので安心しているが、君はもう20年もここで商店街見てるんか。。。今年の夏も暑くなりそうだけれど、次に東京に行ったときに会えるかは謎。

しろ君(19)