シングルバーナーについてのメモ #2

シングルバーナーについてのメモ#1ではCB缶+シングルバーナーの組み合わせは寒冷地ではうまく運用できないという結論になった。というわけで、アウトドア用のOD缶の利用を考える。手持ちのシングルバーナーの火力が弱いという点を考えても、ひとつくらいはOD缶用のシングルバーナーがあっても良いとは思っていた。

 

OD缶も基本的にはブタン・イソブタン・プロパンの配合別にいろいろな種類の缶がでている。プリムス・SOTO・スノーピーク・EPI・キャプテンスタッグ・コールマンというメーカがそれぞれシングルバーナとOD缶を販売している。これらはメーカがそれぞれ独自の配合で生産しているものの、①缶の規格は基本的に統一(少し違うかも?)②中身自体はOEMであり中身は上記のガスの混合物、であるから購入時によく考えるべきはバーナー本体の性能差ということになる。実際の使用例をみてみると、シングルバーナー本体はSOTOだがプリムス・EPIを利用しているというユーザーをよく見かける。メーカー非推奨であるため販売店では絶対に推奨しないものの、事件・事故は聞かない。

 

本体の機能だが、ヒートパネルやその類の燃焼した熱の一部を缶の温度低下を妨げるために利用する、という機能が搭載されたシングルバーナーは見つけることができなかった(本当はあるかもしれないけど)。ランタンといった長時間利用する器具に関してはそのような機能が必要とされているものの、お湯を沸かすだの携帯食を温めるといった比較的短時間の利用を目的とするシングルバーナーには求められていない機能なのかもしれない。

 

とはいっても、冬でも安定して利用するための工夫は各社でなされている。プリムス・EPIの場合X型の五徳によってバーナーヘッド(炎の出ている部分)を4つにわけ、いずれかの炎が強い風で吹き消えても他の領域の炎で再び着火できるようにしているらしい。しかも、プリムス・EPIのシングルバーナーはコンパクトものの火力が高いため、冬・高山でも機能することが期待できるとのこと。キャプテンスタッグ・コールマンのシングルバーナーも高火力ではあるものの、でかくてゴツい。

 

風防性能と寒冷地での対応機能の両方を搭載したものにSOTOのウィンドマスターがあった。すり鉢状のバーナーヘッドの風防機能は高く、マイクロレギュレーター(スプリングの反発力を利用した小型のガス減圧機構)によって外気温の低下や連続使用によるボンベ内の圧力変化があっても、マイクロレギュレーターが圧力変化に応じて弁を開閉するために安定した燃焼が可能らしい。一方で、スノーピークのものは小さくて軽いものの風防性能がやや低いらしい上に寒冷地に向けた工夫は特に確認できなかった。デザインはおしゃれなのに残念。

 

Web上のユーザーの意見を調べてみたところ、プリムスののウルトラバーナーとSOTOのウィンドマスターが双璧という印象。ウィンドマスターの長所は、プリムスよりも風防機能が高く、寒冷地対応がなされており、五徳が交換可能(故障しやすい)という点だろうか。短所としては、バーナーに高さがあるため若干不安定。加えて、SOTOの純正OD缶は1種類しかないが(サイズは複数あるが)残念ながら冬の雪山では不十分な仕様で、冬山に行く人は結局プリムスのOD缶を使っている様子。

 

風が強い寒冷地で安定して機能するための機構が備わっている、という点ではSOTOのウィンドマスターが一番適切な選択に思えた。火力やOD缶の仕様に関してはプリムスのものを利用すれば問題ないだろう・・・。不安定対策としては、ガス缶したに取り付けられるガスカートリッジホルダーをつければいいのかもしれない。

 

なお、ここ(https://camp-zaurus.com/?p=524)でまとめられているように、OD缶のコスパとしてはプリムスが最高なのでした。冬のそとはハイパワー、室内ならノーマル。