- 作者: 遠山啓
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2011/12/01
- メディア: 文庫
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何となく購入しておいたものを読んだ。M1の頃、先生から同じ著者の本で「行列論」というのを渡されて読んだのを覚えている(復刊されているようだ)。
構造という言葉が使われ始めたのはいつか? 構造という概念のはじまりどこか? というお話が1章に書いてある。2章は位相構造、順序構造そして代数的構造という3つの構造について。3章で群の話へ。続いて4章が環と体。5章でガロア理論のお話。
数学は問題を抽象化することができるが、抽象的な公理系の中での命題と証明を繰り返すと現実の問題からはずれる過ぎる可能性を持っている。幾何学などは実在する問題にとって比較的身近だが、関数空間における関数の振る舞いは身近でなかったのかもしれない。Computer Science のパターン認識では、関数の振る舞いといものがパターンの振る舞いとして関係するのだなぁ、など。20世紀になって、現実の問題が追いついて来た印象。
ヒルベルトの23問題の23番目、変分法の研究の展開、というものにパターン認識を含めることも出来るよねって話。解析的に扱うことができれば、仮に解が存在するならば、離散化してもexactな解が見つかるよ、という性質もあるでよ。みたいな?